平野啓一郎のデビューは高校生だった私には鮮烈だった.通学する電車の中で友人と話した記憶もある.
といっても,芥川賞を受賞してから小説誌で読んだ気がするから,ミーハーなものではあった.
そしてその後も読んだか読んでいないか覚えていない.葬送は読んでいない.つまりあまりいい読者ではない.
さて,
ウェブ人間論
梅田 望夫,平野 啓一郎
で興味深かったのは2つ.
1つ目.p.71 の,平野の「ネットが始まった頃の罵詈雑言にトラウマがある」ところ.
私は(P.191の梅田が言うところの)「遅れてきた世代」であったので,ネットを使い始めたときにはそういう一面は知らされていた.ので,その後見知らぬ人間に2ちゃんねるで悪口を書かれても何ら驚きはしなかった.
また,ネットに対する感情もずっと好意的である.
そして,現代の高校生以降の世代はネットに対してどのような印象を持っているのだろう.
2つ目.p.86の平野の「シニカルさ」のところ.
現代の世の中,学校に当てはめて考えたい.梅田が引き出せていないのが少し残念.