太陽.
チネチッタで.何となく新しい劇場で見たかった.レイトショー.空いていてよろしい.
この映画はラジオで町山智浩もほめていたし(「ホテル・ルワンダ」では裏切られたが),見たいと前々から思っていた.
筆で記す詩が現代仮名遣いであったり,違和感を感じるところはいっぱいある.しかし,それは大したことではない.これはフィクションなのだ.
ラストのシーンの,人間宣言をした天皇の決断を否定しかねないことに対して,皇后は有無を言わさず部屋から連れ出す.そこには「人間が描かれている」のであるが,どうも空虚なのだ.
その後,『創』(2006 9・10月号)の鼎談で侍従役の佐野史郎は「(監督のソクーロフは)全然ヒューマニストではないですよ.」(p.102)と言っている.そこで森達也は「徹底した唯物主義ですよね.」と言うのだが,それも何となく違うように感じる.
私はこれまでソクーロフを見たことがなかった.後何本か見ないと何とも分からない.