第5回 私学IT活用セミナー 大学入試での教科「情報」採用と実施についてに行ってきた.
教科「情報」大学入試フォーラムや
ジョーシン06と似たような話ではある.そして,情報の入試に反対している登壇者がいないのも同じである.
慶応の田邉先生の「そろそろ中学も含めて体系化していく時期だ」という主張.その通りだと思うが,もう少し待って欲しい.まだまだ新しいものが現場から出てくると私は信じている.私にもまだやりたいことがある.今あるもので固めてしまいたくない.
私は情報の入試はやってほしくない.それは一言で言えば「自分のしたい授業がやりにくくなるからだ」と言っていい.私は情報C,もっと言えばメディアリテラシーを重視したいのだ.
「メディアリテラシーを入試科目にする」ということになれば,賛成してしまうのだろう.
以下思いつくまま.後付けの理由.
・入試をするとすると,情報科学の方向へ進んでいくのだろう.とすれば授業も情報科学メインとせざるを得ない.
・教科「情報」はメディアリテラシーの時間ではないことはもちろん知っている.しかし,情報科学の時間やましてやプログラミングの時間でもない.しかし,現在のところその分野ばかり出る.
・「情報Aが必修,情報Bが選択」と2つ以上選べるのならまあいいのだが,結局そうなっても入試に出る情報科学だけすることになってしまう.
・情報で入試を受けたい生徒が現れたとき,指導できる教員は少ない.たまたま指導できる教員に出会えた運のよい生徒だけが情報の入試を受けられる.
・「独学すればいいではないか」と言うが,それだったら質問もできる物理や化学で行く,というのが普通だろう.だからなおさら一部の生徒が得をし,フェアでなくなる.
・音楽大学の入試には音楽がある.美大の入試にはデッサンがある.それは高校の授業だけだととても受からない.専門の塾などに行く必要がある.つまり,ある程度お金を持ってないと受からない.都会に住んでいないといけない.
音楽だとまあいいが(良くないのだが),「情報科学を学ぶには金を持っていて,都会に住んでいないといけない」というのはとても健全だと思えない.(「それでもいいから情報科学の能力に長けた人が欲しい」と大学が考えているならそれはそれで1つの考えである.)
・工学部はなぜ「工業」の入試をしないのか.工業は必修ではないからなのか.選択肢の1つとしても無いのはなぜなのか.
・センター対策の授業はなおさらしたくない.
・情報を教えたいと思ったのは入試がないから,というのも正直ある.